- 一生懸命やっているのに伝わらない
- 何故か怪訝な顔をされる
- 会社でも仲良くやりたいのに上手くいかない
これらは「表情の作り方」や「細かいジェスチャー」が上手くいっていない可能性があります。
確かに、長年働いていると経験から対処法というのが見えてきます。
一つの経験則だけに則って考えるとその現場でしか使えない法則になってしまう可能性があります。
この記事では、経験と科学の組み合わせからみた、伝え方の方法について解説していきたいと思います。
目次
感情の伝達についての3つのポイント
ここでは、感情を伝達する3つのポイントにまとめます。
- 口頭以外での感情表現
- 想いが伝わらない
- 相手
口頭以外での感情表現
「ノンバーバル・コミュニケーション」というのをご存じですか?
あまり聞きなれない言葉ですよね。
ノンバーバル・コミュニケーションとは口頭以外でのコミュニケーションの事です。
簡単に説明していきます。
基本
最初は感情伝達のプロセスについて説明していきます。
皆さんは悲しい顔をして困っている人を見たら助けてあげたくなりませんか?
感情伝達のプロセスは以下の3つです。
- サイン
- 感情を動かす
- 行動させる
サイン
サインを送るというのは、眉を下げて悲しい顔をしたり、口角を上げて楽しいという表現をしたりすることです。
これらは万国共通で伝わるサインになります。
感情を動かす
感情を動かすというのは、こちらが笑っていれば相手も嬉しくなるし、悲しい顔をしていれば悲しい気持ちになります。
関係性によっては、こちらが怒っていれば相手も怒ったり、怖いという感情が生まれます。
行動させる
行動させるという事は、こちらが悲しい顔をしていたら助けたくなる、笑顔で楽しい気持ちを与えたら一緒に居たくなる、怒っていたら攻撃したくなる、怖かったら逃げたくなるというように感情が行動に移る事です。
感情と行動は結びついている物なのです。
真似をする
相手の感情を引き出したり、相手の行動を促す為にはしっかりと表情で感情表現しなくてはいけません。
しかし、ストレスや表情筋を動かさない生活が続いている人は適切なタイミングで表情を動かせない人も居ます。
その場合どのようにしたらいいでしょう?
表情を作る
「気分が乗らない」そんな時に使えるテクニックがあります。
気分が乗らなくても笑顔を作るという方法です。
この3つのポイントは赤ちゃんにも当てはまるという実験結果が出ています。
途中からガラス張りになっている台の上に赤ちゃんを乗せ、ガラスの手前で止まったところを母親が笑顔でおいでというとそのまま進み始めるのです。
感情がうまく伝わらない原因はこのどこかのプロセスがうまくいっていない可能性があります。
感情の伝染
表情や行動で相手に感情を伝えると相手にもその感情が移ります。
あなたが笑っていれば、相手も笑いますしあなたの感情と連動します。
3つのステップを実践しているうちに相手の感情にも伝染していくのです。
感情を真似してしまう
感情を真似してしまうというのは、「成功して笑顔になっている同僚を見ると笑顔になる」「憤慨して愚痴をこぼしていると一緒に怒りがこみあげてくる」といった事です。
また、「怒っているクレーマーを見ると顔が引きつる」「泣いている人を見ると笑顔で手を差し伸べる」といった相手の感情にあった表情をします。
表情以外での伝染
表情以外での伝染とは、表情に相手の感情を動かすように行動も相手に伝染していきます。
お笑い番組等で、笑っている観客を一緒に流す事でそれに同調して笑ってしまうというやつです。
表情でのコミュニケーションはどこの国でも使える
ここまでの説明で、表情は相手に感情を伝えるのに重要だというのは理解できたと思います。
そして、この表情というのは違う文化や国でも一定の感情は同じ表情筋を使って表すのです。
つまりどこの国でも通用するツールというわけです。
表情と感情の研究
有名な研究結果には、ある部族の人々にアメリカ人の写真を見せて表情から感情を読み取るといったものです。
結果は、アメリカ人を見たことがないのに正確に感情を読みとる事ができました。
各国で使える表情
今の段階で、どこでも通じるといわれている表情は「幸せ」「軽蔑」「嫌悪」「怒り」「悲しみ」「驚き」「恐怖」の7つと言われています。
日本人は、表情を隠すのは得意ですがもっと感情を表に出すようにしていった方がいいです。
各国で通用する姿勢
他の国でも通用するのは、表情だけではありません。
自分の体や面積を大きく見せる姿勢、逆に小さく見せる姿勢。
これらも万国共通になります。
2種類の姿勢
リーダー姿勢と呼ばれるものには、「視線を上に向く」「顎を上げる」「手を上に上げる」「腰に手を当てる」「頭の後ろで手を組む」等があります。
逆に自分を小さく見せる姿勢は「肩を落とす」「うつむく」「両手を前で組む」というのがあります。
ジェスチャーの種類
ジェスチャーは大きく分けて2種類あります。
行動自体に意味を持つものと、行動でイメージを膨らませるものです。
思いが伝わらない
「熱い気持ちを伝えたい」「誠実さを伝えたい」しかしうまく伝えられない、という事ありますよね。
きっと、伝えるのが苦手で誤解を受けている人も多いと思います。
気持ちが伝えられず損をするのは嫌ですよね。
ここでは、何故うまく相手に気持ちが伝えられないのか考えてみましょう。
伝えたい想いはありますか?
当たり前ですけど、根本的に伝えたい想いがないと相手には違和感を与えてしまいます。
例えば、「眉を上げる」という表情は「関心がある」「驚き」といったものを表現しますが、営業でこの表情をしながら自分の商品の話ばかりしていると違和感ですよね。
むしろ、取り繕った空っぽな人というイメージを与えてしまいます。
感情が伝わらない3つのパターン
相手に伝えたい想いがあるのに伝えられないというのはもどかしいですよね。
相手に気持ちが伝わらない原因としては
- 驚かない
- 伝えたいという気持ちが薄い
- 表情が硬い
驚かない
驚く事によって人間はより物事を知ろうとします。
相手の話にも興味を持って、深く知りたいと思うのは大事です。
子供は、知らない事が多いために毎日驚いています。
この、驚きがないとぼんやりと話を聞いて身のない会話をしてしまいます。
伝えたいという気持ちが薄い
表情というのは、気持ちの熱量によって動きの大きさが変わってきます。
なので、伝えたいという気持ちが薄いと表情の変化も微々たるものになります。
例えば、初めていく居酒屋で「唐揚げは一人でも食べきれるサイズか?」と聞いたところ店員さんは眉一つ動かさず「大丈夫だと思います」と答え、すぐに居なくなると少し嫌ですよね。
ここで、ジェスチャーで「これくらいの量です」等とやってくれたら気持ちもいいものです。
表情が硬い
最後は、表情が硬いという事についてです。
表情筋というのは、日ごろから意識していないと成長していきません。
人間は、人の感情を表情から読み取る能力を誰でも持ち合わせています。
無表情の相手からは、相手の思考が読み取れません。
ノンバーバルがあっていない
伝えたい想いがあるにもかかわらずうまく伝わらないというのは、問題ですよね。
人は行動と言葉が矛盾している時に、影響を受けるものは
- 言葉7%
- 声の調子・口調38%
- ボディーランゲージ55%
の影響を受けると言われています。
例えば、暗い顔をしながら「楽しいです」と言っている人が居たら「本当は楽しくないんだな」と感じるような事です。
表情に癖はできていませんか?
4つめの原因としては、表情に癖ができていないかということです。
ある特定の感情を、長期間抱き続けるとそれにともなった表情筋が発達しすぎてその表情が定着してきます。
その結果、しわ等になり残り相手に悪い印象を与える可能性があります。
表情の癖大丈夫ですか?
これは、私もあるのですが「笑う時に口角が片方だけ上がる」というものです。
これは、相手を軽蔑や馬鹿にしていると思われる危険性があります。
また、視線も「相手を見すぎる」「相手を全く見ない」「視線が定まらない」という癖もあります。
仕草の癖は大丈夫ですか?
身体にも癖と言うのは現れます。
マニピュレーターといって、自分の体に触れて安心感を得るというものです。
これをやりすぎると、他社から見た時の印象は悪くなります。
相手の気持ちを汲めない
5つ目は、相手の気持ちを汲めないというところです。
私も経験したことがあるのが、職場で何かを説明する時最初から誤解が生じているなと思っていても間に入る間もないペースで話し続ける人居ませんか?
こちらが、眉をひそめてすれ違っているというポーズをしても一向に気づかない、これではインターネットで検索しているのと変わりません。
一方的に伝えてはいけない
どんな仕事をしていても、相手の気持ちを読み取るというのは大事です。
自分の気持ちは伝えても相手の気持ちは読み取れませんと言うのは、あまりに身勝手な話になってしまいます。
感情が伝わらないのは相手にも原因がある
先ほどまでは、感情が伝わらない原因が自分にある場合の説明をしてきました。
しかし、人間関係ですので相手が話にならない相手だと感情は伝わりません。
コミュニケーションというのは一方的なものではないので、相手がコミュニケーションを取れる人間なのかそうではないのかというのは重要になっていきます。
ここからは、相手が話ができる人間なのかできない人間なのかということについて触れていきたいと思います。
話したがりに伝えるのは難しい
世の中には、人の話を聞くよりも自分が話したいという人は多くいます。
聞き役になりたい人と話したい人の人数があっていたり、重要ではない話しの場合は何も問題ありません。
ただ、対等に自分も話したいと思う相手だったり、重要な内容の話の場合に一人だけ話し続けると周りはストレスになります。
話したがりだけが集まってもいい場面
最初にレストランや居酒屋での状態を思い出してください。
主婦や仕事帰りのサラリーマンがそれぞれ、好きなように愚痴を言ったり噂話を話していますよね。
この状態は、その場の空気を共有して好きなように話してリラックスすることを目的としているので全員が話したがりになっても問題ありません。
話を聞いてもらえない事によるトラブル
それでは、話したがりが招く悲劇について説明します。
私が、独立して知人と二人で飲食店を開いた時の事です。
資金繰りが苦しい中、知り合い等を招いてパーティを開くという案を持ち掛けられました。
彼は、「これは人脈を広げるチャンスだ」「凄いメンバーが集まる」と熱意と期待だけはありました。
私が懸念していたのは料金の事だったので聞いたところ「そこは、それなりの額を貰えるように話しておく」とそのあともメリットを延々説明しておりました。
当日料金の話をすると、集まった人たちは無料で招待されていると思っていた事が発覚。
そのことを話すと「後日支払ってもらうから大丈夫」と。
結局、支払いはされず、そのような状態が続き店は潰れました。
確認をしっかりできていなかったのは落ち度だが何故、確認をする気が起きなかったかというと。
人は、質問ができる状態での会話で延々と5分以上も演説を聞かされていると集中力も減り嫌気が差してくるのです。
相手のスタンス次第では伝えられない
次は相手が、こちらを向いていないと気持ちが伝えられないということについて解説します。
まずは、相手がこちらとのコミュニケーションに否定的な場合です。
もう一つが、相手が無意識に違う事に注意が行ってしまっているという場合です。
簡単に説明しましょう。
聞く耳を持ってくれないと伝えられない
会話相手が、その場に居ても聞く耳を持ってくれていないと想いは伝わりません。
私の親戚との会話です。
独立を考えているんだ。
独立なんて失敗するに決まっている
失敗しても成功するまでやるし、最初にかかるコストの少ない仕事から始めて・・・
いや、独立は無理だ失敗するからやめた方がいい
リスクだってそんなに・・・・
もうこの話はやめよう。独立は絶対に無理だから
と言った具合に相手との価値観が、大きくずれていると話になりません。
相手の注意が散漫になっている場合
それでは次に、相手の注意がこちらに向いていな場合です。
例えば会議で、司会が一生懸命身振り手振りで説明していても参加者はパワーポイトを見ていたり資料を見ていたり自分の頭の中に居たりしませんか?
こういった場合は質問をしたりメモを取らせるタイミングを作って、こちらを見る時間と他の物に注意をはらう時間をコントロールするといいです。
実は難しいミラーリング
この記事を読んでいる皆さまなら、ミラーリングという言葉はご存じではなでしょうか?
人は、共感している相手やリラックスできる相手の行動に自然と同調し同じ行動をするのです。
その効果を、逆手に取った手法がわざと相手の行動を真似して相手に好かれるという手法です。
ただ、相手の方が立場が上の場合相手が大きくみせようとしたら自分は小さく見せる等相手を尊重する姿勢を見せたりと工夫が必要です。
まとめ
- 感情表現は、口頭以外での感情表現も重要
- 口頭以外での感情表現のスキルが低いと気持ちは伝わらない
- 相手も乗り気でないと感情は伝わらない
ノンバーバルスキルの重要性について学べましたね。
次の記事では、これらを活かした表現方法について説明したいと思います。